市町村保健師と都道府県保健師の違い どちらも働いて感じた メリット デメリット

保健師
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こんにちは。

今回は市町村保健師と都道府県保健師どちらも働いて感じたことを書いてみました。

 自治体によって、法律では、人によってなど抜きに、ただただ私の経験によるものですが、少しでも参考になると嬉しいです。

市町村保健師

市町村保健師とは?
 家庭訪問や乳幼児健診、がん検診、健康教室、特定保健指導などなど…様々な事業を行い、地域に住んでいる人々がより健康な生活が送れる地域づくりを行う。

メリット

・地域で保健師活動を行うことができる
 最近は地区分担ではなく、業務分担が増えてきているので、この地区のことなら私に任せてといった保健師活動は難しいかもしれません。けれど、担当地区はあるので、他職種と連携しながら、地域づくりを行うことができます。

・地域の人々の役に立っていると実感できる
 勤務時間は、ほぼ住民対応をしていました。「ありがとう」と言っていただくことも多く、働くやりがいに繋がっていました。


・職場の異動が市内でしかない
 保健師は自治体ごとの採用のため、交換人事でもない限り、市外に異動することはない。


・職場内で相談しやすい
 異動があまりなく、前年度に自分の担当の仕事をしていた人が職場内にいるので、困ったことや疑問点があれば、先輩にすぐ相談できる。


・急な休みでもカバーしやすい
 この人しかわからないという仕事がほぼないので、誰かが体調不良等で急な休みの場合も職場内で仕事を回すことが可能。

デメリット

・事業があるときは休みがとりにくい
 自分が事業に当たっているときは正直休みが取りにくい。私は当時子どもがいなかったので、そこまで苦労しなかったが、お子さんのいる家庭は、調整が大変そうでした。


土日祝に出勤がある
 がん検診や特定健診が休日にあるので、多い時は月に何度か土日出勤がある。午後6時スタートなど夜の会議に出席しなければならない時もある。


なんでも保健師になりがちで事務仕事が結構ある
 私が勤めていた自治体では、事務職と専門職の線引きが曖昧で、とりあえず保健師でお願いしますがあり、モヤっとすることも多かった。


以下二つはメリットにも上げたのですが、デメリットでもあると感じていました。


住民対応で精神的につらくなる
 これはもうどんな仕事でもそうだが、いろんな人がいるので、自分がダメージを負うこともある。人と接する機会が多いので、このような機会も多い。なにかあった時は、先輩や上司にすぐ相談するようにしていました。


・異動先がない
 自治体ごとの採用のため、生活の拠点が変わることになっても市内でしか異動先がない。結婚や介護などで引っ越すことになり職場に通うのが難しくなってしまい辞めざるを得ない人が、私も含め同期で何人もいた。

都道府県保健師

都道府県保健師とは?
 「地域に住んでいる人々がより健康な生活が送れる地域づくりを行う。」という点では市町村保健師と一緒かと思います。ただ、私が行政保健師として働いていた約10年の間に、どんどん業務が市町村に移っていっていました。精神、難病、感染症、制度作りなど、専門性の高い仕事が残っている印象です。私は県庁勤務でしたが、保健所はもう少し保健センターよりだなと保健所勤務の保健師の話を聞いて感じていました。

メリット

・休みが取りやすい
  絶対に今日やらなければいけない仕事は少なく、急な休みでも取りやすい。


・誰の仕事かが明確に決まっている
 業務分担が明確で、自分の仕事がわかりやすい。とりあえず保健師でやってくださいや保健師の中でも誰がやる?がない。


・来客が少ないので仕事がはかどる
 急な来客はほとんどないので、自分の仕事に集中できる。


・土日祝は休み
 がん検診などの事業がないので、土日祝は休める。


・異動の範囲が広い、選択肢が多い
 異動できる範囲が市町村保健師より広く、保健所だけでなく、様々な施設がある。

・教育体制が整っている
 保健師として成長していくためにどのようなサポートをしていくなどがきっちり決まっていて、勉強会もあった。

デメリット

・仕事の量が莫大
 県庁で働く保健師の仕事量は保健所の保健師や保健センター時代の仕事量を考えても明らかに多かった。


・専門性の高い仕事
 専門性が高く、仕事と並行して勉強も必須であった。


・担当の仕事を知っているものが自分しかいない
 自分しかその仕事ができないので、繁忙期はつらい。残業や休日出勤も多い。前年度の担当者が同じ職場内にいることのほうが少ないので、困っても気軽に相談できる環境ではない。

まとめ

 私の偏見だらけの意見ですが、保健師という仕事をしてみたいという人には、保健センターや保健所で働く方が保健師として働いている実感があると思います。
 県庁の保健師は保健師としての知識や経験は必須ですが、実際の仕事は学校で習う保健師のイメージとは少し違うかもしれません。
 ただ、人材育成や制度作りなど保健師が地域で働くうえで欠かせない部分を自分で作っていくことができるので、そのような仕事に興味がある人にはおすすめです。

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